第2話 星一徹の涙 <18>
星一徹になったのは妻を守るため
「半世紀以上が過ぎて、関わりのある連中は全員あの世に行った。うちの婆さんも、ボケたおかげで気楽になってかえってよかったと思っとったが、忘れられる出来事ではなかったということだ」
征郎さんは長い話を語り終えると、左右の拳で自分の両肩をバンバン叩き、お茶を飲んだ。
「ど…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,170文字/全文1,310文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】