「目撃」西村健著
板橋区内で資産家夫人の笠木登志子が殺された。忘れ物を取りに戻ったところ、侵入していた犯人に出くわし、ナイフで心臓を突き刺されたようだ。
仲間内で“見立て屋”と呼ばれている警視庁刑事部捜査第1課の穂積亮右は、その手口から用意周到な犯人像を推察。
そんな中、「殺人事件を目撃したかもしれない」という女が現れる。女は電気メーターの検針員・戸田奈津実で、犯行時刻ごろに笠木邸で検針をしていたという。事件以来、誰かに監視されているようだとおびえる奈津実に、穂積はパトロールさせることを約束する。数日後、奈津実の元に「お前は逃げられない」と書かれた不審なメッセージが届く。
冷静なベテラン刑事、殺人犯、奈津実ら複数の視点を通して物語が展開する長編ミステリー。
(講談社 1800円+税)