「秋山善吉工務店」中山七里著
自宅が全焼して、父親の史親を失った小学4年の太一は、母の景子、中学生の兄・雅彦と父の実家・秋山工務店に移り住む。大工の棟梁で、昔かたぎの義父・善吉が苦手な景子は、仕事を見つけ、家族だけで暮らすつもりだ。転校して数日後、太一はクラスのボス・彰大から自分のグループに入るよう誘われるが、不穏な空気を感じ、きっぱりと断る。翌日から、彰大とその取り巻きによるいじめが始まる。
異変に気づいた雅彦のアドバイスを受け、彰大らに抵抗した太一だが、いじめはますますエスカレート。身を守るため、武器代わりにしようと仕事場で工具を物色していた太一は、善吉に見つかってしまう。(「太一、奮闘する」)
善吉が次々と困難が降りかかる太一一家を守る人情ミステリー。
(光文社 700円+税)