「てしごと」澤田瞳子ほか著

公開日: 更新日:

 京都の洛北にある鷹ケ峰御薬園の女薬師、元岡真葛は、鍼医の御薗常言から「大同類聚方」という医書を知っているかと聞かれた。「大同類聚方」とは平城天皇の詔によって撰された全百巻の医書だが、偽書も多い。その真本を持っていると言う貧しい身なりの老婆が常言の家を訪れたが、ゆすりたかりだと思い込んだ御薗家の家令がたたき出してしまった。その老婆が、常言と不仲の弟、常懿(つねふと)のところに「大同類聚方」を持ち込んだらしい。別家を許されている弟が手に入れたものが本物だったら、御薗家本流の名が地に落ちるという。(澤田瞳子著「春雀二羽」)

 他にあさのあつこら6人の女性作家が女職人を描いた時代小説アンソロジー。

(徳間書店 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情