「ハーフムーン街の殺人」アレックス・リーヴ著 満園真木訳
幼い頃から自らの性別に違和感を抱いてきたレオは、15歳で家を出た後、周囲の目を欺き男性として生きている。ロンドン・ウェストミンスター病院の解剖医・ハーストの助手として働くレオの唯一の楽しみは、ハーフムーン街の娼館で娼婦のマリアと過ごす時間だけだ。マリアは、レオのすべてを受け入れてくれる唯一の女性だった。
ある日、レオは思い切ってマリアをデートに誘うが、彼女は待ち合わせ場所に現れない。翌日、レオは解剖台の上に横たわるマリアと再会する。頭を何者かに殴打されたマリアは、テムズ川に浮かんでいたという。2日後、ショックで寝込んでいたレオは、マリア殺害の容疑で連行されてしまう。
19世紀末のロンドンを舞台にしたミステリー。
(小学館 950円+税)