「ごはん通」嵐山光三郎著
ご飯の魅力を語り尽くしたお米賛歌エッセー。
1995年の新食糧法の施行によって、自主流通米が出回るようになり、米生産者間の競争が品種向上を促し、消費者はさまざまな米を手にできるようになった。
注目すべき産地や品種を列挙した上で、ごはんの食味には玄米を精製する時間も大きく関与すると指摘。料理通でもここにこだわる人は少ないが、精米してから時間が経つほど味が落ちていくので、うまいごはんを食べるためには、銘柄の差よりもむしろどれだけ精米したてのものを食するかにかかっていると説く。
さらに話題は米のとぎ方や炊き方へのこだわりへ。その上で、おむすびから粥、雑炊、寿司、丼物など、ごはんを主役にした料理のおいしさや味わい方を豊富なエピソードとともにつづる。
(筑摩書房 800円+税)