「負けてたまるか!日本人」丹羽宇一郎、保阪正康著

公開日: 更新日:

 共に昭和14(1939)年生まれで、終戦直後に民主主義教育を受けた2人が戦後の75年間を総括する対談集。

 昨年の安倍首相とトランプ大統領が合意した日米貿易協定をはじめ、田中角栄と周恩来による日中共同声明時に棚上げされた尖閣諸島の領有権問題、そして日本をいまだに被占領国扱いする日米同盟と沖縄問題など。記憶されない「真実」があることを危惧する2人は、人間は同じ過ちをするから、戦争に近づけば必ず戦争になるから、何よりも「戦争に近づくな」と重ねて警告する。

 他にも、責任を口にしながら何も行動しない安倍首相を俎上に載せたリーダー論や米中貿易戦争の行方、天皇制まで日本と世界の諸相を縦横に語る対話から、昭和史の見方、そして世の中の理解の仕方を学ぶ。

(朝日新聞出版 810円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動