「DANCER」柴田哲孝著
嵐の夜、大学の研究所から「ダンサー」と名付けられた実験動物が姿を消す。襲われたヒトES細胞研究の第一人者・エレナは、死の直前、ダンサーが「サルサ」とつぶやくのを耳にする。一方、ショーダンサーの志摩子は、出演中の店に現れた男につきまとわれ、かつての恐怖が蘇る。6年前、志摩子は客からストーカーへと豹変(ひょうへん)した青柳に監禁され屈辱の限りを味わったのだ。警察に追われた青柳は、事故で植物状態に陥っているはずだった。
同じころ、ライターの有賀は、事件が起きた大学が息子の雄輝が通う大学だと思い出す。音信不通の雄輝に会いに大学を訪ねた有賀は、息子が事件の翌日から姿を消していることを知る。
ルポライターの有賀を主人公にしたミステリーシリーズ第3弾。
(祥伝社 900円+税)