「セカンドライフ」新津きよみ著
65歳を迎え、待ちに待った年金を初めて受け取った日、久子は娘の映美から3年前に離婚した元夫の吉雄が再婚すると教えられる。相手は久子もよく知る真由子だという。久子にはもう他人事だが、遺産相続を考える映美は素直に祝えないようだ。
8年前、早期退職した吉雄の希望で、家を処分して山梨で田舎暮らしを始めた。その隣人が真由子だった。引っ越して間もなく愛犬を亡くし、ペットロスに苦しんでいた久子に声をかけてくれたのが真由子だった。以来、久子は3年前に夫を亡くし一人暮らしをする真由子と親しく付き合ってきたのだが……。(表題作)
ほか、特急列車の車内で交換殺人を持ち掛けた女性と持ち掛けられた女性の23年後を描く「見知らぬ乗客」など、7編を収録したミステリー集。
(徳間書店 670円+税)