「レモン」 クォン・ヨソン著 橋本智保訳
ほかの女の子を「残りもの」にしてしまうくらい美しい19歳のキム・ヘオンが鈍器で撲殺された。容疑者とみられたのが、ヘオンを助手席に乗せていたシン・ジョンジュンの車の横をスクーターで走っていた少年、ハン・マヌだ。ハン・マヌはヘオンが半ズボンをはいていたと言い、スクーターの後ろに乗っていたユン・テリムも見たかもしれないと言った。警察はスクーターから見えるはずがないと考えた。
ヘオンの妹、ダオンはヘオンのように美しくはなかったが、学年一の秀才だった。ダオンは何回も整形手術を受けて、ヘオンの顔に似せていく。そして、ある日、黄色のワンピースを着て、ハン・マヌの家のベルを押す。
妹が姉の死の真相を探るミステリー。
(河出書房新社 1700円+税)