「余命3000文字」村崎羯諦著
ある日、「俺」は医師から「余命3000文字」と宣告される。その文字数に達したときに俺は死ぬという。このやりとりの間にも文字はどんどん減っていく。
医師によると治療法はないが対策はあるという。できるだけ同じ毎日を過ごし、当たり障りのない人生を過ごせば、それだけ長く生きられるというのだ。その言葉通りに過ごして5年が経った35歳の誕生日。人生はまだ残り2100文字ほど残っている。このままいけば天寿を全うできそうだと思ったその夜、近所で火災が発生。外に出ると木造アパートが燃えている。母親らしき女性の「まだ中に子供が!」という声を耳にした俺の余命は、その時点で1500文字。
その他、「彼氏がサバ缶になった」など奇想に満ちた26編を収録。
(小学館 650円+税)