「横浜中華街」山下清海著
横浜中華街は、安政6(1859)年に横浜が開港されたとき、欧米人が買弁(取引の仲介人)として中国人を連れてきたのが始まりである。この地域は低湿地だったため、欧米人は高台の山手居留地に住んだが、華僑は住まいを見つけやすい低地に住んで南京町をつくった。
日本全体では華僑は半数が台湾出身者だが、横浜中華街では過半数が広東省出身である。中国人は包丁、ハサミ、カミソリを使う三把刀業(料理飲食業、仕立て業、理髪業)が得意だといわれ、特に中国料理店は広東人が経営する店が多い。横浜中華街の老舗、聘珍樓も創業者は広東人である。
有名だが、意外に知らない横浜中華街の歴史と特徴を紹介する。
(筑摩書房 1870円)