「ちょっと方向を変えてみる」辻仁成著
パリ在住の著者は、東日本大震災の発生後、傷ついた日本人の心を少しでも慰めたいと連日、朝夕にツイートを始める。現在まで、休むことなく発信してきたその言葉を編んだ至言集。
「ぼくは朝から昼までの間に小さくてもいいから何かいいことが起きたら、それを掴まえ離さず今日をいい日と決めつけて乗り越えていくようにしています。今日はいい日だ、と決めつけてください。気分が上がれば運気もつられて上がります(後略)」など、一日の始まりにあたってのエールから、「幸せだと思えることが、幸せになる一番の方法(後略)」などの母から教わった言葉まで。
時折、自身の子育ての悩みなども打ち明けながら154の言葉ですべての人にやさしく寄り添う。
(文藝春秋 858円)