「午後の脅迫者」西村京太郎著
定職もなくその日暮らしの日下部は、私立探偵が脅迫の容疑で捕まったという新聞記事を読み、金儲けの手段をひらめく。他人の秘密を調べる私立探偵の仕事は、恐喝のネタを探し歩くのと同じだと気づいたのだ。
日下部は、さっそく探偵社の求人に応募する。しかし、採用されたものの、なかなか金になるような調査依頼が回ってこない。社長の愛人の事務員を口説き、ようやく社長夫人から依頼があった夫の浮気調査の案件を回してもらう。
ターゲットの西尾の浮気の証拠をつかんだ日下部は、それをネタに西尾本人に大金を要求。しかし、離婚を望む西尾から報酬を上乗せするので、妻に男がいるという証拠をつくって欲しいと依頼される。
今春、亡くなった巨匠の作品集の新装版。
(講談社 814円)