「SLやまぐち号殺人事件」西村京太郎著

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 警視庁捜査1課の亀井は、鉄道ファンの息子と廃線の浜京線をたどる旅に出る。かつて山陰本線の戸田小浜駅から京川駅を結んでいた路線だ。調べると、京川村の地主の娘・美代子が、私財を投げ出してJR山口線の名草駅まで延伸させようと奮闘したが、かなわなかったらしい。挫折して自殺した美代子が、なぜそこまで延伸を望んでいたのかに疑問を抱いた亀井は、そのヒントとなる美代子が生前に書いた手紙を入手する。

 そんな中、JR山口線を走行中のSLやまぐち号の最後尾・5号車の車両が乗客32人とともにこつ然と消えた。乗客には資産2兆円といわれる警備会社の社長一族が乗っており、十津川らも山口に向かう。

 今春亡くなった著者の絶筆となった十津川シリーズ最新刊にして最終巻だ。

(文藝春秋 1078円)

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