第一話 倫理的にあり得ない(16)何も言わず、グラスを差し出す
ハイボールを飲み干すと、奈美は大きなため息を吐いた。隣にいたタクミが急いでおかわりを作る。
「奈美さん、今日はピッチ早いっすね。俺もおかわりいいっすか?」
冷めた目でタクミを見ながら、奈美は文句を言った。
「いいけどさあ、飲んだ分、ちゃんと楽しませてよ」
…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,220文字/全文1,360文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】