「民族から解き明かす世界史」関眞興著
人類は今、この地球上に200ほどの国民国家をつくり、民族の数はさらに多い。現在の状況にいたるまで、人類は移動や同化、混血を繰り返してきた。本書は、そんな民族に焦点を当て、記録が残る5000年の世界史を俯瞰したテキスト。
新王国時代のエジプトやヒッタイトが強勢を誇った古代オリエント世界では、前1200年ごろに「海の民」といわれる民族が地域を荒らしまわり、アナトリア高原やシリア・パレスチナなどは荒廃、ヒッタイトは滅亡に追い込まれる。海の民とは誰だったのか、そしてなぜ彼らが集団になって各地を荒らしまわったのかを解説。
以降、古代から近現代まで各民族の歴史から現代の課題を浮かび上がらせた現在の世界を理解するための参考書。 (PHP研究所 924円)