「トヨタのEV戦争」中西孝樹著
「トヨタのEV戦争」中西孝樹著
EVを中心とする電気モビリティーはここ2年で飛躍的に普及し、SDV(デジタル対応車)が今後の自動車産業の勝敗に大きく影響する。
2022年のEV市場は758万台で、世界の新車需要の10%を占め、その6割強は中国の需要である。2035年にはEVの比率は38%になると予想される。
米国はIRA(インフレ抑制法)により、約50兆円の補助金を投資して、世界のクリーンエネルギー産業を米国、カナダ、メキシコに誘致しようとしている。だが、安易なEVシフトは日本のハイブリッド車の市場をつぶす恐れがあることから、トヨタはEV技術の事業化を躊躇しているのではないか。
自動車産業のアナリストが日・米・欧・中のEV覇権争いを読み解く。
(講談社 1980円)