「犬のかわいいところ大全」キリ著、永澤美保監修
「犬のかわいいところ大全」キリ著、永澤美保監修
毎日、大好きな犬のことばかり考えて暮らしているというマンガ家の著者が、一緒に暮らす飼い犬のこつぶ(まめ柴、7歳の男の子)との日々を通して、犬のかわいさを余すところなく伝えるコミックエッセー。
「家に犬がいる。それだけで、家じゅうにかわいい空気があふれます」
「こんなかわいい生きものが、人間と仲良くしてくれるって、たぶん絶対に奇跡!」と、書き出しからあふれるばかりの犬への愛がこれでもかとつづられる。
そして、まず犬はどこをさわってもさわり心地が違ってかわいいという。
ほっぺはもちもち、頭はぽふぽふ、背中はざきざきとしていてかわいい。中でも著者のお気に入りは、「手」の裏、肉球の下あたりを指先に向かってなでた時のスベスベ感だそうだ。
ほかにも、全身の毛が生え替わる「換毛期」のお散歩中、風に吹かれ、こつぶから舞いあがった毛を見て、「たんぽぽみたい」とめでたり、ステンレスのお皿に映る水を飲むこつぶの顔が「まぬけかわええー」と悶絶してみたりと、「存在が、かわいい」ところを挙げる。
続いて、目でお互いの気持ちが伝わるなど、「わかりあえて、かわいい」ところや、大嫌いな爪切りをされて、しばらく飼い主に近寄らなくなったこつぶとの爪切りをめぐるバトルといった「わかりあえなくても、かわいい」ところなど、17章で犬との暮らしの楽しさを描く。
ページの片隅や合間には、「人間の言葉を1000単語ほど覚えられる」「犬をなでると人間にも変化がおき、ストレスを抑えるホルモンが分泌され、血圧も下がる」など、監修者による犬のまめ知識も紹介。
手にすれば、犬が飼いたくなる「危ない」本だ。
(ダイヤモンド社 1540円)