「バイオリン狂騒曲」ブレンダン・スロウカム著、東野さやか訳
「バイオリン狂騒曲」ブレンダン・スロウカム著、東野さやか訳
朝、バイオリン奏者レイと恋人のビオラ奏者ニコルは、ニューヨークのホテルの前で別れ、それぞれ次の目的地に向かう。ニコルは所属する交響楽団のあるペンシルベニア州エリーへ、レイはラガーディア空港から自宅のあるノースカロライナ州シャーロットへ。
レイは1カ月後に迫ったチャイコフスキーコンクールに向けて1日14時間の練習を怠らず、早くバイオリンを弾きたい。
だが、自宅でケースを開くと高祖父の遺品のストラディバリウスが消えていた。ケースの中にあったのはスニーカーと500万ドル分の仮想通貨を要求する脅迫状だった。
奴隷だった高祖父の遺品の名器の来歴や人種差別、そしてクラシック音楽界の内情まで描きながら進む青春ミステリー。
(集英社 1595円)