「丼めしの丸かじり」東海林さだお著
「丼めしの丸かじり」東海林さだお著
食をテーマにした人気イラストエッセーのシリーズ最新刊。
冒頭はタコ焼きについて熱く語る。まずは「真実一路篇」と称して、最近、焼きたてのタコ焼きを頬張って七転八倒した体験から「タコ焼き2個いっぺんは無理の法則」を発見したと宣言。しかし、この法則は万有引力の法則に比べあまりに小規模な法則なので世界的に認められないだろう。それはタコ焼きの地位があまりにも低いからだと、タコ焼きについて考えていると、「タコ焼きはなぜ丸いのか」という新たな疑問がわいてくる。やがてタコ焼きの話は止まらなくなり「人情篇」「望郷篇」へと堂々の3部作に。
ほかにも、牛丼に寄り添う「紅生姜」の「心意気」など、洒脱な文章でさまざまな料理や食材について語る抱腹絶倒エッセー。
(朝日新聞出版 1650円)