「おでんオデッセイ」山本幸久著
「おでんオデッセイ」山本幸久著
伊竹市の「有野練物」の娘・静香は、大学卒業後、大手商社で働いていた。気がつくと会社に2泊3日していたこともざらで、ある日、口から泡を吹いて倒れているのを、定時前に出社した後輩に発見された。胃潰瘍で入院し、退院後、事務職に異動させられて会社を休みがちになる。上京した母の土産の実家の練り物を口にして、静香はおいおい泣きだした。
1カ月後、退職して伊竹に戻り、伊竹市の町おこしプロジェクトに応募。実家の練り物を使って商店街の一角でおでんの屋台を始めたがうまくいかない。そんな静香を、伊竹市役所産業振興課町おこし担当の若菜恵が訪ねてきた。恵は町おこしプロジェクトの担当者だった。
Uターンした33歳の女性が始めたおでんの屋台を巡る7編の物語。
(実業之日本社 1870円)