「大江戸あにまる」山本幸久著

公開日: 更新日:

 石樽藩の江戸屋敷で働く幸之進は、かつて藩主の次男・喜平丸のお伽(とぎ)役を務めていたことがある。

 その縁で、学識を広めるために国元から江戸に出てきた福助の世話をすることに。福助はかつて喜平丸も出入りしていた本草学に興味を持つ旗本たちの集まり「物産会合」に出席して、喜々としている。

 そういえば、幸之進も当時12歳の喜平丸にせがまれて両国の見せ物小屋に駱駝(らくだ)を見に行ったことがあった。聞くと、その駱駝が9年ぶりに江戸にくるという。会合を終え帰宅中の幸之進と福助は、刀傷を負い草むらに倒れていた男を助ける。(「駱駝」)

 ほかにも、羊や山鮫など異国からきた動物が江戸で起こす事件や騒動に幸之進、福助に加え、藩主の妻・小桜が巻き込まれていく連作時代小説。

(集英社 748円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動