「マイ・ダディ」山本幸久著
小さな教会の牧師・一男は、献金だけでは暮らしが成り立たず、ガソリンスタンドでアルバイトをしながら中2の娘ひかりを育てている。最近、ひかりは8年前に亡くなった妻の江津子に似てきた。
クリスマスイブの夜、ミサを手伝ってくれたひかりが倒れ、急性骨髄性白血病と診断される。9カ月後、ひかりは無事に退院の日を迎えたが、喜びもつかの間、一男は研修医の不用意な一言に衝撃を受ける。骨髄移植のために一男の骨髄の型を調べたところ、親子関係がないことが判明したというのだ。一男は、15年前にふらりと教会に現れた江津子の過去は何も知らない。しかし、最愛のひかりの再発を恐れる一男は、万が一に備え、彼女の父親を探し始める。
23日公開の同名映画の原作になった感動作。
(徳間書店 693円)