(1)荷を抱え直し、産婆の背を追う

(一)
新月と満月の夜は、眠れないものと心得ている。
えっほ、えっほと、駕籠舁きが足を速める。その後を、遅れないようついてゆく。
頭上に光る月はなく、曇っているのか星も見えない。案内の者が手にした提灯の明かりだけを頼りに、先を急ぐ。
ひょうひょうと…
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