(10)女の体は血も流せば子も宿す
「どうぞ、お上がりください」
戸口でできるような話ではなかった。美登里は母娘を、中へと誘う。魂が抜けたような、娘の様子も気がかりだった。
火鉢に鉄瓶をかけ、三人分の番茶を淹れる。娘は茶箪笥に凭れるようにして座っていたが、飲むように勧めると、素直に湯呑みを手に取った…
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