(9)戸の先に母娘らしい二人連れ
(三)
十一月に入ったとたん、冷え込みが急に厳しくなった。
井戸の水も、骨にまで染みてくるようだ。美登里はじんじんと疼く手に、はぁっと息を吐きかける。
昨夜もまた、夜通しのお産になった。お利久はまだ、戻っていない。別の家から「うちの嬶ァが、腹が張って苦…
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