「イスラエル軍元兵士が語る非戦論」ダニー・ネフセタイ著、永尾俊彦構成
「イスラエル軍元兵士が語る非戦論」ダニー・ネフセタイ著、永尾俊彦構成
イスラエルで生まれ育った著者は、幼い頃から「国のために死ぬのはすばらしい」と思い込ませる教育を受けていた。その結果として戦争に何の疑問も持たず、「敵」であるアラブ人を殺すことは「仕方がない」と当然のように徴兵に応じ空軍に入隊。
しかし、イスラエル軍によるパレスチナ人の大殺戮を契機に軍隊の存在を疑うようになる。イスラエルや自身が信奉していた武力による平和=抑止力による平和という考えでは、イスラエルとパレスチナ間の復讐の連鎖は止められないと考えるようになったという。
現在は日本で木製家具作家として暮らす著者が、自らの半生を振り返り、母国の矛盾点を指摘しながら、戦争をなくすための道を説いた平和論。 (集英社 1100円)