「ウクライナのサイバー戦争」松原実穂子著
「ウクライナのサイバー戦争」松原実穂子著
ウクライナ戦争では、サイバー空間でも苛烈な攻防戦が繰り広げられている。サイバーセキュリティーの専門家は、侵攻開始直後にロシアのサイバー攻撃によってウクライナの通信やエネルギー、電力などの重要インフラのサービスが停止するとみていた。
しかし、その予想ははずれ、侵攻から1年半以上が経った今でもウクライナのサイバー防衛は驚異的な粘り強さで、ロシアによるあの手この手の業務妨害型サイバー攻撃に耐え抜いている。それは2014年のクリミア併合時の苦い経験があったからだという。
ウクライナのサイバーセキュリティー上の備えや、侵攻以降のサイバー戦の攻防などを分析しながら、日本のセキュリティー体制のあり方について考察したテキスト。
(新潮社 880円)