「果ての海」花房観音著

公開日: 更新日:

「果ての海」花房観音著

 圭子は、階段から突き落とされて死んだ慎吾の遺体を前にして、出頭するか自らも死を選ぶかしばし悩み、逃げることに。妻子ある慎吾とは、13年間、愛人関係にあった。慎吾のおかげで娘の灯里を大学に行かせることもできた。しかし、圭子は慎吾の死に何の感傷も覚えない自分に気づいたのだ。

 慎吾が隠していた金を持ち出し、圭子は半年前に出会い系サイトで知り合った元ホストの鈴木に連絡をする。鈴木の手引きで整形して43歳の沙世という別人の身分証を手に入れた圭子は、福井県の芦原温泉の旅館で仲居として働き始める。第一発見者になった灯里のことだけが気がかりだが、連絡を取ることはできない。やがて圭子はコンパニオンとして宴席にも出るようになるが……。

 福井を舞台にした長編サスペンス。 (新潮社 737円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出