「春のとなり」高瀬乃一著

公開日: 更新日:

「春のとなり」高瀬乃一著

 奈緒は、医者をしている義父の文二郎と、深川堀川町の棟割りの貸家で薬屋を営んでいる。

 ある日、湊鼠の粋な小紋を着た女がやってきた。「惚れ薬は作れるかい?」。その女は茶屋「多幾山」の抱え芸者、捨て丸と名乗り、どうしても一緒になりたい旦那がいるのに手も握ってくれないという。「お前さんが惚れた男の詳しい人となりを知れば、できぬこともない」などと文二郎が言い出すので、奈緒は慌てる。

 後日、捨て丸に会うと、惚れ薬が効かないと怒っている。その男を訪ねてみたら、それは本草学者の平賀源内だった。

 夫の仇討ちのために信州から上京した女と義父の江戸での日々を描く時代小説。

(角川春樹事務所 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が