(75)かような世情の大本は田沼に
![切り絵・小宮山逢邦](https://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/360/739/d208b3985dc45e9da4c9fd1b0cae89a320240918112250131_262_262.jpg)
田沼意次が退出しようと立ち上がった時、つっと近寄ったのは松平康福だった。
「主殿頭、相談がござる」
康福、田沼と同い年で同職の老中ながら、幕僚としては先輩格、家柄も数段よい。しかし幕府内の権勢は田沼が大きく勝る。康福は股肱同然の態度をとっている。田沼は片眉をあげた…
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