(75)かような世情の大本は田沼に
田沼意次が退出しようと立ち上がった時、つっと近寄ったのは松平康福だった。
「主殿頭、相談がござる」
康福、田沼と同い年で同職の老中ながら、幕僚としては先輩格、家柄も数段よい。しかし幕府内の権勢は田沼が大きく勝る。康福は股肱同然の態度をとっている。田沼は片眉をあげた…
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