(78)白打掛のとせが喜色に染まる
祝宴の規模はささやか。だが、集まった客の顔触れは豪勢。今しも、長い顔を美酒で朱に染めた富本豊前太夫が、祝儀の曲『長生』を披露したばかり。
当代人気随一の浄瑠璃語りは重三郎に頭を下げた。
「とせは妹も同然、末永く可愛がってやってください」
「もちろんです!」
…
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