(79)とせの笑窪を指先で甘く突く
祝言の夜、新郎新婦がひとつ蒲団を前にしている。
山と積まれているのは艶本、世にいう枕絵、春画というやつ。戯家の同士から新婚夫婦へのご好意溢れる、お節介なご進物。
蔦重、やれやれといいつつ『免の音色』なる一冊を手に。ところが、たちまち眼が輝いた。
「さすがは…
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