(82)歌麿の画才は磨けば輝く珠玉
泣きながら飛び出してきたのは若い女。その後姿を見送る形になった蔦重と政演、気を取り直して開けっ放しになった家を覗きこむ。
ぷ~ん、蔦重は酒の匂いに鼻をひくつかせた。叔父や義兄の茶屋で出す上方からの下り酒、灘の生一本だと踏んだ。羽目板の反り返った長屋の住人が呑むにしてはチ…
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