「裏金国家」金子勝著

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「裏金国家」金子勝著

 自民党の旧安倍派を中心とした95人という戦後最悪の裏金キックバック疑獄。それを生み出したのは安倍元首相による「2015年体制」だと著者はいう。

 15年とは、安倍政権が、歴代内閣の見解を「閣議決定」という内閣の行政処分によってひっくり返し、集団的自衛権を認める安保関連法を成立させた年だ。以降、安倍政権は、官僚制を潰し、メディアの批判能力を奪い、できるだけ国会を開かずにすべてを与党協議と閣議決定で推し進めた。

 15年体制は、劣化した世襲政治家でも国会議員として生き残れる仕組みをつくり上げる必要から生まれ、その仕組みづくりに一役買ったのが裏金だったと指摘する。

 民主主義を破壊する裏金問題の背景を解説し、その根深さを告発する警世の書。 (朝日新聞出版 957円)

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