「現代 カタストロフ論」金子勝、児玉龍彦著

公開日: 更新日:

 カタストロフは一般的に「崩壊」や「破局」ととらえられているが、実はひとつの周期であり、局所的な変曲点だという。

 カタストロフ論とは、分岐点においてシステムを支配している基礎的なメカニズムが顕現する「縮約」という現象に着目し、そこから逆にカタストロフの次の「安定的な構造」がどう生まれるべきかを予測する方法論だそうだ。

 分岐点にさしかかっている日本の経済社会に目を転じれば、従来の政策路線が崩壊していくのは誰の目にも明らかだ。故に著者らは、今こそカタストロフから垣間見える中心的なメカニズムを理解し、それをもとに代替案を立てることが緊急の課題になっていると指摘。

 生命現象と経済現象を、繰り返す「周期」ととらえ、日本と世界に迫りくるカタストロフへの処方箋を示す。 (岩波書店 946円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか