「松本人志とお笑いとテレビ」ラリー遠田著
「松本人志とお笑いとテレビ」ラリー遠田著
お笑いとテレビを取り巻く状況は大きく変わろうとしている。群雄割拠状態の若い芸人の中には、ウェブ系動画メディアやライブなどに軸足を置き、独自の活動をしている者もいる。それとともにテレビの受け手側の意識も変わり、「人を傷つけない笑い」を求めるようになり、痛みを伴うリアクション芸や女性の容姿いじりが敬遠されるようになった。
そうした中、ダウンタウンの松本人志による性加害疑惑騒動が明るみに出た。騒動前から、松本は不倫を肯定するような発言をしたり、女性蔑視的な発言を繰り返してきたが、絶対的権威となっていた彼に口をはさむ人はいなかった。
本書は、彼の性加害疑惑を切り口にして、これからのお笑いやテレビのあり方がどう変わっていくのか論じたテキスト。 (中央公論新社 924円)