「教育にひそむジェンダー」中野円佳著
「教育にひそむジェンダー」中野円佳著
コロナ禍の外出制限中、著者は、当時小3の息子と5歳の娘に漫画「世界の歴史」を読み聞かせる。息子はそれなりに関心を持つが、娘は基本的にはつまらなそうで、作中に女の子や王妃ら女性が登場するシーンだけ身を乗り出したという。
娘は男性の登場人物には共感しづらいようだが、「世界の歴史」に女性は出てきてもすぐ消え、基本は脇役だ。このまま同書を読むだけでは「女の子は脇役」というステレオタイプを娘に植え付け、悪影響しかないのではないかと危惧したという。
本書では、このように家庭や教育現場、そして子どもたちが接するメディアで私たちがジェンダーについていかにステレオタイプに支配されているかを検証。それらを打破する取り組みについても紹介するテキスト。 (筑摩書房 946円)