「自転車で邸宅を探した」 六角精児が語った“松田優作愛”
六角精児、51歳。ドラマや映画では個性派バイプレーヤーとして活躍。つい先日、エッセー集「少し金を貸してくれないか 続・三角でもなく四角でもなく」(講談社刊)を上梓した。マルチに活動する同氏に影響を与えた人物がいる。一人は故・松田優作――。
松田優作は中央林間に住んでいるらしい、という情報だけを頼りに隣町から自転車を走らせ、松田邸を探し回ったのは小学生の時。片っ端から見た作品の中では、「暴力教室」(76年)や「ヨコハマBJブルース」(81年)といったB級ものが好きだという六角氏だが、ドラマ版「探偵物語」(79年)には特別な思いがあるという。
「優作さん演じる工藤俊作がスタイリッシュで、コミカルで。食い入るように見ていました。その一方で優作さんはブルースもやっていた。俳優と音楽を両立させているカッコ良さが、憧れの最大の理由。僕が何者でもない時から憧れていた人。優作さんの生きざまそのものが好きなんです」
■芸歴は20年以上
高校時代はブルースを歌う松田に憧れ、丈の長い黒のオーバーに身を包み、ギター片手に町を徘徊していた。ただどうしても探偵物語の工藤スタイルはマネできなかった。