キムタク嫌いも見た? 「HERO」視聴率26・5%の要因
人気に陰りの元視聴率男とフジテレビが、威信を懸けた「伝説のドラマ」の新シリーズで“朝ドラ超え”を達成した。
木村拓哉(41)が13年ぶりに久利生検事を演じる月9ドラマ「HERO」。初回視聴率は26・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、「花子とアン」の25・9%(7月5日)を上回り、今年のドラマでトップとなった。
キムタク主演のドラマは数字が取れなくなっている。昨年冬に放送された「安堂ロイド」(TBS系)も全話平均で12%程度。いくら前シリーズで全話30%超えを記録した人気ドラマの続編でも、20%は届かないだろうとの見方も多かった。
それが及第点のスタートである。ドラマライターの堀江南氏は、こう分析した。
「HEROは、キムタクのドラマであって、キムタクのドラマではありません。個性豊かな登場人物によってストーリーが進行する群像劇です。織田裕二の『踊る大捜査線』と同じで、キムタク嫌いの視聴者も抵抗なく見られるし、あの世界観が好きだという“HEROファン”は多い。東京地検城西支部の雰囲気、登場人物の会話や振る舞い、俯瞰を多用するカメラワークなど、すべてを楽しんでいるのです。制作側も承知していて、キャストを入れ替えてもキャラクターは変えなかった。横柄な男性検事や毒舌の女性検事、生意気な女性事務官など、脇役の設定は13年前と同じです。何も変化を加えなかったことが、高い数字につながったのでしょう」