大人の「ドラえもん」ヒットの理由は山崎貴監督のCG描写力
映画界におけるヒットメーカーの地位は、一層揺るぎないものになったといっていい。山崎貴監督である。山崎と八木竜一の2人が共同監督を務めた「STAND BY ME ドラえもん」が、大ヒットのスタートを切ったのである。
本作は、毎年春に公開される定番アニメの「ドラえもん」ではない。3DCGアニメとして製作され、れっきとした大人向けの作品なのだ。これがスタート3日間で興収10億円前後を記録し、最終で50億円も夢ではなくなった。
この大ヒットでがぜん注目の的になっているのが、共同監督のひとり、山崎監督だ。山崎監督といえば、「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズ(3本)はじめ、木村拓哉の「ヤマト」、今年正月の「永遠の0」などの大ヒットで知られる。
この5本に「ドラえもん」が新たに加わったことでマネーメーキングもすごい。何せ、先の5本と「ドラえもん」を入れると、累計では推定興収300億円近くを稼ぎ出すことになる。
■CGなのに心地よい安心感
何がここまでのヒットメーカーに成長させたのかといえば、彼の専門分野であるVFX(視覚効果)における卓抜な技術力が大きい。今の大作実写映画に欠かせないさまざまなCG映像が、彼の手によって緻密に組み立てられる。これが、目の肥えた多くの観客の支持を受けるのだ。