小保方氏のSTAP細胞 「検証打ち切るべき」と東大特任教授
検証チームは別のマウスや臓器を使って実験を続ける方針だ。しかし、「科学の設計図」である論文に沿って実験したのに、一度も成功しない時点で結論は出たようなものだ。引き続き数百万円のカネを投じて来年3月まで実験を続ける意味が全く理解できない。
11月末までの期限付きで、近く検証チームとは別に実験を始める小保方リーダーも同様だ。すでに「予備実験」に着手しているというが、内容や結果については「100メートル走の本番前に軽く走っているようなもの。申し上げられない」(検証チーム)という。つまり、7月初めの出勤から2カ月近く過ぎた今も「リハビリ中」の身ということだ。そんな状態で実験しても、残り3カ月で「成功する」とは理研も信じてはいないだろう。
それでも実験に参加させるのは、後々、小保方サイドに「STAP細胞はある」と反論されないためだ。そんな「茶番劇」に国民はいつまで振り回されるのか。「事実上の解体」が決まった理研の発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の職員が「STAP細胞と無関係の人が連帯責任を負わされるのは納得できない」と憤慨していたのも当然だ。
東大医科学研究所の上昌広特任教授も「STAP細胞を再現できると考えている科学者は世界中にいません。もう(検証実験は)打ち切った方がいいでしょう」と言い切った。
もはや検証チームの残された役目は「STAP細胞」を一刻も早く“成仏”させることだけだ。