芸能事務所社長の稲川素子さんはがんと闘う「東大大学院生」
■これから博士論文を
他に河口湖オルゴールの森美術館館長や社団法人国際知識普及協会代表理事など、10以上もの肩書がある。
「だから、去年4月からがんで入退院を繰り返したときも、酸素とかの管が8本も体に付いた状態で、病院のコンピュータールームやラウンジでずっと仕事をしてました。回診に来られた先生に、“稲川さんは一回もベッドにいたことがない。心臓がストライキを起こしますよ”って言われたけど、そのままパタッと逝ければ本望。死ねば7、8年前に脳梗塞で亡くなった主人にすぐに会えますから、生きてるのも楽しい、死ぬのも楽しみです」
ええッ、がん? それは大変だ。
「大腸から肝臓、肺へと転移し、手術や放射線治療をこの5月30日に終えました。再発しないかどうかは、4カ月くらい経たないとわからないそうです」
仕事どころか、生活も大変だ。
「お手伝いさんもいますし、カリフォルニアで大学の先生をしている娘が今は帰ってきてくれてます。娘は先生、母親のワタシは学生ってわけです、フフフ。実はワタシ、東京大学大学院の学生でもあって、これから博士論文に取り組まなければなりません」