刀根麻理子が明かす「夏目雅子さんの母親スエさんに泣かれた」
昨年、デビュー30周年を迎えた刀根麻理子さん。「沈黙の歌姫」と称し、「日本一、歌わない歌手なんです」と自嘲の笑みを浮かべるが、昨年末も銀座でライブを開催。会場は満員の観客で埋まった。人前で歌うことに慣れてきたのは、つい最近のこと。デビュー以来、ずっと抵抗があったという。密封式のポリ袋から取り出した写真も、歌うのが苦手だったころの一枚で……。
■テレビに出るのがイヤでイヤで仕方なかった
「もともと歌手になるつもりなんてなかったんです。レッスンも受けていなかったし、テレビの常識を教えてくれる人もいなかった。カメラの上に赤いランプがつく理由も分からなかったから、最初の収録でキョロキョロしてしまい、ディレクターに怒られたほどです。もうイヤでイヤで仕方がなかった」
秘蔵の写真は、その少し後に撮影されたもの。デビュー2、3年目のカットだ。
「当時は夏目雅子さんに似ているといわれ、写真を並べて比較する週刊誌もありましたね。夏目さんが亡くなられた後、母親のスエさんに『あなたを見ていると涙が出るわ』と泣かれたこともあります。夏目さんとは不思議な縁があって、デビュー当時のキャッチフレーズは、夏目さんと結婚された伊集院静さんがつけてくださった。そのころの私、『沈黙の歌姫』ではなく、『21世紀の瞳』だったんですよ」