47年前にカンヌで開眼 酒井政利氏が語る「ワインの思い出」
南沙織、山口百恵、ジュディ・オング、郷ひろみ、宮沢りえ……一世を風靡した多くのスターをプロデュースした酒井政利さん(76)。今も音楽業界の重鎮として、夜の付き合いも多い。大好きなのが赤ワインで、フルボトルを軽く1本空けるという。ワイン開眼のエピソードを語ってもらった。
ワインとの出合いは今から47年前、1968年です。当時、日本コロムビアから、創業間もないCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ移籍し、心新たに第一歩を踏み出したばかりでした。
配属されたのは国内制作班で、プロデュース第1号がその年の9月5日に「オリビアの調べ」でデビューした、ジャニーズ事務所のフォーリーブスです。東芝EMIが奥村チヨ、黛ジュン、日本コロムビアは辺見マリ、ちあきなおみといったポップス調だけど、やや大人の雰囲気の歌手を売り出して成功していましたから、私たちはまったく別のヤングポップス路線でいこうと決めていたのです。
新興勢力としてトップを狙っていたソニーは、現場の私たちの感性を磨くためというか、凄く力を入れて下さいました。そのひとつがフランスへの研修旅行でした。会社の意気込みがわかろうというものです。