47年前にカンヌで開眼 酒井政利氏が語る「ワインの思い出」

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 目的地のひとつ、カンヌでは「せっかく本場に来たのだから」とディナーの際にワインをセレクト。それが初めてのワイン体験で、実においしかった。香りもいいし飲み心地もいい。しかも、食欲が増し、食事をおいしくいただくことができました。

 もちろん、料理も満足。きっと、ワインと料理が見事なハーモニーを奏でていたのでしょう。それまで日本酒や洋酒、赤玉ワインしか知らなかった私にはとても新鮮で、素晴らしい経験でした。それで、帰国後も好んで飲むようになったのです。

■会社生活の“卒業”記念にワイン三昧の南仏旅行

 ただし、最初はレストランやバーでもなかなか「ワインはありますか?」と尋ねづらかったですね。今はそんなことはないですが、その頃はオーダーするだけでキザなイメージがあって、それがイヤでした。だから、あえて「ぶどう酒ありますか?」と聞いたものです。

 でも、ワインを置いてある店はまだ少なかったし、第一、為替レートが1ドル=360円の時代だから、ワインはとっても高価な飲み物。日本ではそうそう飲めなかった。研修や出張でフランスやイタリアに行くのが楽しみで、食事が待ち遠しかったものです。

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