報ステにBPOが意見…真価が問われる古舘伊知郎の“覚悟”
こういった発言が象徴するように、同委員会は故意や作為的な編集はなく、複数のスタッフによる分業作業の中での過失と検証したが、これらが何を意味し、今後どんな影響を及ぼすのか。
放送ジャーナリストの小田桐誠氏はこう言う。
「『3・11』からまだ4年という歳月の中で、原発や震災報道に真摯かつ継続的に取り組んでいるのは、民放では報ステと『報道特集』(TBS系)ぐらい。テレ朝の一連の誤報は初歩的なミスで肯定すべきものではないが、同局に限った問題でもない。どの局も分業作業による番組制作をしており、いわば、テレビ局全体が抱える課題ともいえるだろう。BPOの意見書の“まとめ”にあるように、今回の委員会決定によって制作現場が『萎縮』するのではなく、失敗からの教訓とし、『前進』することこそが大事だと考える」
古舘伊知郎(60)は昨年、11年ぶりに復活させた「トーキングブルース」でこんなことを言っていた。「人に向かって責任ある言葉を発するというのは嫌なことがあっても覚悟を持って向かわないといけない」――。
反省すべきは反省すべきだが、今回の一件で矛先を鈍らせることなく、覚悟を持って真相に迫る有言実行の報道ができるか。テレ朝、そして古舘自身の真価が問われている。