映画同時公開 ホリプロ「綾瀬vs高畑」エース対決の行方
これはホリプロの女優対決と言っていいのではないか。6月4日から同時公開された「高台家の人々」(主演・綾瀬はるか)と「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」(主演・高畑充希)が期せずして、ホリプロ所属の女優対決となった。
興行は「植物図鑑」の高畑に軍配が上がった。スタートではなんと「高台家」の3倍の興収3億4000万円を叩き出し、15億円超えが期待できる。NHKテレビ小説「とと姉ちゃん」の勢いのまま、高畑は絶好調である。「植物図鑑」の高畑は素晴らしい。突発的な出会いのなか、次第に男に引かれていく感情と行動の変化を実に繊細に表現している。とくにスーツで歩く姿勢、姿がすくっとして、なかなかにいい。
さらに、ときどきインサートされる彼女のアップの表情にはまったく驚かされた。大きく見開いた目が何とも言えず美しい。男に対する感情の変化がその大きな目いっぱいに集約されているかのようであった。
では、「高台家」の綾瀬がよくないのかといえば、そんなことはない。愛くるしい表情は相変わらず健在だし、妄想連発の冴えない日常のなかに、普通のOLの生活感がうまくにじみ出ていた。だが、それはこれまでの綾瀬の魅力を超えてはいない。