主演映画が好評 綾瀬はるか“コメディエンヌ”の本領発揮
綾瀬はるか(31)が水を得た魚である。酷評の嵐が吹き荒れた昨秋公開のSFコメディー「ギャラクシー街道」(三谷幸喜監督、東宝)では綾瀬本人も見せ場に乏しく、ファンを落胆させたが、現在公開中の映画「高台家の人々」(土方政人監督、東宝)では、名コメディエンヌの本領を発揮。妄想好きのいまいちパッとしない主人公を好演しているのだ。
綾瀬演じる妄想癖のある30歳OLと、テレパシー能力のあるエリート社員(斎藤工)が繰り広げるドタバタラブコメディー。女性コミック誌「YOU」で連載中の同名漫画の実写版と聞くと尻込みするオジサンもいるだろうが、話も展開もオーソドックスだ。
「綾瀬はるかがとにかく生き生きとしている。演技ではなく、地ではないかと思うぐらい、主人公の天然ボケでいじられキャラがハマっている。作品全体の評価としても、物語の肝となる妄想の描写をパラパラ漫画を見ているような演出を施し、作り手がうまく遊んでいた。追われる毎日の中で、妄想を膨らませる楽しさを思い出させてくれる作品になっていると思いますね」(映画評論家の秋本鉄次氏)